ハイブリッド3

以下『ハイブリッド3 カタログ』より抜粋

【「ハイブリッド3」について 芝山昌也】

 3回目の開催となった「ハイブリッド」は秋田市在住の若手アーティストによる展覧会です。出品された作品はすべて2人1組のコラボレーションによるものです。今年の「ハイブリッド3」には秋田公立美術工芸短期大学の教員、教務補助、卒業生を中心とした14名7チームが参加することとなり、出品された作品は映像を駆使した現代アート作品から工芸作品まで多種多様でした。地方都市秋田で行っている小さな展覧会ですが、幅の広い表現と質を保ち続けることで、秋田からも新しい芸術文化を発信できると考えています。その点からも、アーティストがコラボレーションによって新しい試みに取り組み、新作を発表することには意味があります。

 会場は昨年の「ハイブリッド2」から継続して秋田市新屋地区にある築百年以上の町屋を利用し、1部屋に1作品の構成で、鑑賞者が作品と町屋の佇まいも味わえるように工夫されました。商店街地域で空き屋となっている町屋を利用して展覧会を行うということは、文字通り家屋に風と人を通すことになり、期間中は微力ながら商店街を活性化することができたと考えています。

 昨年同様、「ハイブリッド3」は同地域で行われた地域活性化イベント「参画ケイカン」(新屋参画屋)に参加し、秋田で活動を行うNPOや団体と企画の開催時期を同じにして、商店街の活性化を試みました。アートプロジェクトあきた実行委員会は秋田におけるアート活動を特定の場所(ハード)を持たずに、「ハイブリッド」のような作品発表、企画等(ソフト)で支援していきたいと考えています。

 また、2011年3月11日に東北地方で発生した東日本大震災により、亡くなられた方々に慎んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された地域の方々に心よりお見舞い申し上げます。「ハイブリッド3」におきましても開催中の地震発生で、会場も停電し開催期間短縮を余儀なくされました。関係各位、商店街地域の方々には大変なご迷惑をおかけしましたが、震災の混乱したさなかに冷静な対応をしていただきました。皆様に感謝を申し上げるとともに、今後一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。

【開催概要】
「ハイブリッド3」
会場:秋田市新屋表町5-10 渡邊幸四郎宅
日程:2011年3月9日~13日(震災により~11日に短縮)
時間:10:00~18:00
参加アーティスト:後藤岬、村上恵美、平田麻里子、西方智衣子、岸上恭史、矢田目真希子、西川大輔、丸岡慎一、孔鎭烈、佐藤和貴子、阿部由布子、長沢桂一、熊谷峻、芝山昌也
入場者数:約100名
企画監修:芝山昌也
主催:アートプロジェクトあきた実行委員会
助成:秋田県芸術文化振興基金補助金
  :財団法人秋田学術振興財団

ハイブリッド3
ハイブリッド3ウェブサイト